「1on1を始めたいが、何を話せばいいか分からず雑談で終わってしまう」「上司によって1on1の質にばらつきがある」「面談の記録が個人のメモに散らばり、組織として活かせていない」——こうした課題から1on1ツールの導入を検討する企業が増えています。ただ、1on1に特化したものから、タレントマネジメントや人事評価と一体になったものまで幅広く、「自社にはどのタイプが合うのか」と迷いがちです。
1on1ツールは、タイプ(1on1特化型・タレマネ一体型・サーベイ型)・料金・機能・対象規模がサービスごとに異なります。1on1だけを改善したいのか、評価や人材データと一体で運用したいのかで、選ぶべきツールが変わる点に注意が必要です。
本記事では、2026年6月時点のおすすめ1on1ツール7サービスを、料金・無料/トライアル・タイプ・特徴の観点で客観的に比較します。基礎知識や選び方のポイント、目的別のおすすめまで解説するので、自社に合うツール選びの参考にしてください。なお料金やプランは改定されることがあるため、最終的な内容は各サービスの公式サイトで必ずご確認ください。
1on1ツールとは?できること
1on1ツールとは、上司と部下が定期的に行う1対1の面談(1on1)を支援するツールです。面談のテーマ設定や事前準備、記録の蓄積、実施状況の可視化などを通じて、1on1を「やりっぱなし」にせず、人材育成やエンゲージメント向上につなげます。
属人化しがちな1on1を仕組み化し、面談の質を底上げしながら、組織全体の状態を把握できるのが導入の狙いです。最近はAIによる会話の自動要約や、目標管理・人事評価との連携を備えたツールも増えています。
1on1ツールでできること
1on1ツールの基本的な機能は次のとおりです。
- 面談テーマの設定・事前準備:話したいテーマを事前に共有し、雑談で終わらないようにします。
- 面談記録の蓄積:1on1の内容を記録し、過去の経緯を踏まえた対話ができます。
- 実施状況の可視化:誰がいつ1on1を実施したかを管理者が把握できます。
- AIによる要約・サポート:会話の自動文字起こし・要約や、上司向けの対応ヒントを提供します。
- サーベイ・分析:従業員のコンディションを把握し、組織課題を見える化します。
タイプの違い(1on1特化型・タレマネ一体型・サーベイ型)
1on1ツールは、大きく3つのタイプに分けられます。選び方の最初の分岐点になるため、違いを押さえておきましょう。
| タイプ | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 1on1特化型 | 1on1の質を高める機能に特化。AI要約や事前準備など対話支援が充実 | まず1on1の運用・定着を改善したい企業 |
| タレマネ一体型 | 人材データベース・評価・スキル管理と一体で1on1も運用できる | 人事データと合わせて一元管理したい企業 |
| サーベイ型 | 定期サーベイで従業員のコンディションを把握し、1on1に活かす | 組織課題の早期発見を重視する企業 |
まず1on1そのものを改善したいなら特化型、人事評価や人材データと一体運用したいならタレマネ一体型、組織のコンディション把握から始めたいならサーベイ型が向いています。
1on1ツールを導入するメリット・デメリット
メリット|1on1の質の標準化と組織状態の見える化
最大のメリットは、属人化しがちな1on1を仕組み化し、面談の質を底上げできることです。テーマ設定や記録の蓄積により、上司による質のばらつきを抑え、過去の経緯を踏まえた対話ができます。実施状況やサーベイ結果を可視化すれば、管理者が組織全体の状態を把握し、離職の兆候などに早く気づけます。
デメリット・注意点|運用設計と目的の明確化
一方で、ツールを入れただけでは1on1は定着しません。何のために1on1を行うのか目的を明確にし、上司への研修や運用ルールの整備が欠かせません。また、1on1特化型かタレマネ一体型かで適したツールが変わるため、自社が解決したい課題に合うタイプを選ぶことが重要です。料金が非公開のサービスも多いため、見積りを取って比較しましょう。
1on1ツールの選び方5つのポイント
- ① タイプ:1on1だけを改善したいか、評価や人材データと一体で運用したいかでタイプを選びます。
- ② AI・対話支援:会話の自動要約や事前準備、対応ヒントなど、1on1の質を高める機能を確認します。
- ③ 料金体系:人数課金か、機能による違いか。自社の人数・使い方に合う体系かを見ます。
- ④ 既存の人事システムとの連携:評価・人材データと連携できると、二重管理を防げます。
- ⑤ 定着サポート:導入後に1on1を定着させるための支援やテンプレートの充実を確認します。
1on1ツールおすすめ7選 比較表
ここからは、主要な1on1ツール7サービスの基本スペックを比較します。料金は2026年6月時点で各社公式サイトで確認した情報です。改定される場合があるため、導入前には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
| サービス名 | 最低料金 | 無料・トライアル | タイプ | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| カオナビ人気 | 要問い合わせ | デモ・トライアルあり | タレマネ一体型 | タレマネと一体で1on1・面談記録を運用 |
| Kakeai人気 | 要問い合わせ | 公式に明記なし | 1on1特化型 | AIが会話を文字起こし・要約 |
| Wistant | フル 月10,800円/人(初期0円) | 30日間無料 | 1on1特化型 | 目標管理・1on1・評価を1つに |
| Co:TEAM | 要問い合わせ | 無料版あり | 1on1特化型 | 一律料金で全機能・評価まで連動 |
| TeamUp | 要問い合わせ | 15日間無料 | 1on1特化型 | テンプレ柔軟・生成AIで要約 |
| HRBrain | 要問い合わせ | 無料トライアルあり | タレマネ一体型 | 人事評価・タレマネと一体運用 |
| Geppo | 月20,000円〜(参考) | 無料デモ・資料請求 | サーベイ型 | 毎月3問で組織状態を見える化 |
人事データと一体で運用するならカオナビ・HRBrain、1on1の対話そのものを改善するならKakeai・Wistant・Co:TEAM・TeamUp、組織のコンディション把握から始めるならGeppoが候補です。
各サービス詳細レビュー
ここからは各サービスの特徴・機能・料金・メリット・デメリットを詳しく解説します。自社が解決したい課題・規模・既存環境と照らし合わせてご確認ください。
カオナビ
出典:カオナビ公式サイト(https://www.kaonavi.jp/)
カオナビは、株式会社カオナビが提供するタレントマネジメントと一体で1on1まで運用できるシステムです。1on1・面談記録に加え、人材データベース、評価ワークフロー(MBO/OKR/360度評価)、パルスサーベイ、スキル管理までを1つにまとめられます。公式ではタレントマネジメントシステムでシェアNo.1(ITR Market View 2024)、導入企業4,500社以上(2025年9月時点)と記載しています。
- 料金は非公開(要問い合わせ)。利用人数に応じた初期費用+月額のシンプルな体系
- 人事DXプランとタレントマネジメントプランの2種類。項目カスタマイズに追加費用なし
- デモ・トライアルあり(実際の画面を見られる・触れる)
- 1on1だけでなく、評価・人材データ・スキルまで一体で運用できる
- 蓄積した人材データを踏まえた面談・育成ができる
- タレントマネジメント分野での導入実績が豊富
- 料金が非公開で、見積りが必要
- 1on1単体の改善が目的なら、機能が幅広い分は使う範囲を決めたい
人材データと一体で1on1・評価を運用したい中小〜大企業に適しています。
Kakeai
参考:Kakeai公式サイト(https://kakeai.com/)
Kakeaiは、株式会社KAKEAIが提供する1on1に特化したツールです。AIが会話を自動で文字起こし・要約し、メンバーの事前準備や上司向けの対応ヒント表示など、1on1の質を高める機能が充実しています。公式では104,000を超える組織やチームで利用と記載し、ISO/IEC 27001:2022を取得しています。
- 料金は非公開(要問い合わせ)。ライト/スタンダード/プレミアムの3プラン
- 資料・料金表はフォームからダウンロード
- 公式サイト上で無料・トライアルの明記は確認できませんでした
- AIによる文字起こし・要約で、記録や振り返りの負担を減らせる
- 上司向けの対応ヒントで、面談の質を底上げしやすい
- 多数の組織での利用実績とISMS認証で安心感がある
- 料金が非公開で、見積りが必要
- 1on1特化のため、評価・人材データの一体運用は別ツールが要る
1on1の対話そのものをAIで底上げしたい企業に適しています。
Wistant
出典:Wistant公式サイト(https://www.wistant.com/)
Wistantは、株式会社フルートが提供する目標管理・1on1・評価を1つにまとめたピープルマネジメントツールです。事前アンケートによるアジェンダ生成や、1on1の実施状況・充実度の分析、マネジメントスコアの可視化などを備えています。料金が公開されており、検討しやすい点も特徴です。
- フルパッケージプラン 月額10,800円/人(初期費用0円)
- 1on1のみのプランもあり(金額は公式で要確認)
- 30日間の無料トライアルあり
- 料金が公開されており、コストを見積もりやすい
- 目標管理・1on1・評価を1つで運用できる
- 30日間じっくり無料で試せる
- 人数課金のため、対象人数が多いとコストが膨らみやすい
- 大規模な人材データ管理は別途確認が要る
目標管理と1on1をまとめて、コストも見ながら始めたい企業に適しています。
Co:TEAM
出典:Co:TEAM公式サイト(https://coteam.jp/)
Co:TEAMは、株式会社O:(オー)が提供する1on1・目標・評価をつなぐマネジメント支援ツールです。機能別プランがなく、一律料金で全機能を利用できるのが特徴です。1on1管理から目標管理(OKR/MBO)、リアルタイムのフィードバック、人事評価までを連動させられます。
- 料金は非公開(要問い合わせ)。機能別プランはなく一律料金で全機能を利用可
- サポート費用は無料
- 無料版あり(フォーム申込制。条件・期間は公式非公開)
- 一律料金で全機能を使えるため、プラン選びに迷いにくい
- 1on1から目標・評価までを連動させられる
- サポート費用が無料
- 具体的な料金が非公開で、見積りが必要
- 無料版の条件が公式に明示されていない
1on1から評価までを連動させたい中小・中堅企業に適しています。
TeamUp
出典:TeamUp公式サイト(https://teamup.jp/)
TeamUpは、TeamUp, Inc.が提供する対話とフィードバックを文化にするクラウド1on1ツールです。柔軟にカスタマイズできるテンプレートや、生成AIによるテーマ提案・自動要約、部署ごとの実施状況の可視化などを備えています。15日間の無料トライアルで全機能を試せます。
- 料金は非公開(要問い合わせ)。アカウント数に応じて変動
- 公式サイトに料金表の記載はなく、問い合わせフォームで相談
- 15日間の無料トライアル(全機能利用可)
- テンプレートを柔軟に設計でき、自社の1on1に合わせやすい
- 生成AIでテーマ提案・要約ができる
- 15日間、全機能を無料で試せる
- 料金が非公開で、見積りが必要
- 1on1特化のため、評価・人材データは別ツールが要る
自社流の1on1をテンプレートで設計したい企業に適しています。
HRBrain
出典:HRBrain公式サイト(https://www.hrbrain.jp/)
HRBrainは、株式会社HRBrainが提供する人事評価・タレントマネジメントと一体で1on1を運用できるツールです。1on1・キャリア面談の記録、OKR/MBO・1on1テンプレート、目標のAIレビュー、人材データベースや360度評価までを備えています。公式では累計導入社数4,000社以上(2026年4月時点)と記載しています。
- 料金は非公開(要問い合わせ)。月額制で利用人数に応じて変動
- 製品の組み合わせで構成。見積もり・資料請求制
- 無料トライアルあり(条件は公式に明示なし)
- 人事評価・タレマネと一体で1on1・面談記録を運用できる
- 目標のAIレビューなど、評価運用を支援する機能がある
- 導入実績が豊富
- 料金が非公開で、見積りが必要
- 製品の組み合わせ構成のため、必要な範囲の見極めが要る
人事評価と一体で1on1を運用したい企業に適しています。
Geppo
出典:Geppo公式サイト(https://www.geppo.jp/)
Geppoは、株式会社リクルートが提供する毎月3問のサーベイで個人と組織の状態を見える化するツールです。回答結果をリアルタイムのダッシュボードで把握し、コンディション悪化のアラートやクロス分析で組織課題を早期に発見できます。1on1の前段としてメンバーの状態を把握する使い方に向いています。
- 参考価格:25人規模で月額20,000円〜(初期・サポート費用0円)
- 1,000人規模で月額298,000円。最低利用期間は半年
- 無料デモ・資料請求あり。詳細は要問い合わせ
- 毎月3問で回答負担が小さく、続けやすい
- コンディションの変化を早期に把握できる
- 1on1の前にメンバーの状態を踏まえられる
- サーベイ型のため、1on1の記録・運用機能そのものは別途必要
- 最低利用期間が半年ある
組織のコンディション把握から始めたい企業に適しています。
目的別おすすめまとめ
人事評価・人材データと一体で運用したいなら
1on1だけでなく評価や人材データも一体で管理したいなら、カオナビやHRBrainといったタレマネ一体型が有力です。蓄積した人材データを踏まえた面談・育成ができ、二重管理も防げます。
1on1の対話そのものを改善したいなら
まず1on1の質を高めたいなら、AI要約や対話支援に強いKakeai・TeamUp、目標管理と一体のWistant・Co:TEAMといった1on1特化型が候補です。
コストを見ながら小さく始めたいなら
料金が公開されているWistant(フルパッケージ 月10,800円/人・初期0円)は、コストを見積もりながら始めやすいツールです。無料トライアルやデモを活用し、操作感を確かめてから判断しましょう。
組織のコンディション把握から始めたいなら
1on1の前に従業員の状態を把握したいなら、毎月3問のサーベイで見える化するGeppoが候補です。サーベイ結果を1on1のきっかけに活用できます。
1on1ツールに関するよくある質問
1on1ツールは無料で使えますか?
サービスによって異なります。Wistantは30日間、TeamUpは15日間の無料トライアルがあり、Co:TEAMには無料版、Geppoには無料デモ・資料請求があります。カオナビ・HRBrainはデモやトライアルが用意されています(条件は要問い合わせ)。無料・トライアルの有無や条件は変わることがあるため、各公式サイトでご確認ください。
1on1特化型とタレマネ一体型はどちらを選べばよいですか?
まず1on1の運用・定着そのものを改善したいなら、AI要約や事前準備など対話支援が充実した1on1特化型(Kakeai・Wistant・Co:TEAM・TeamUp)が向いています。評価や人材データと一体で管理したいなら、タレマネ一体型(カオナビ・HRBrain)が有力です。自社が解決したい課題に合わせて選びましょう。
料金が「要問い合わせ」のツールはどう比較すればよいですか?
カオナビ・Kakeai・Co:TEAM・TeamUp・HRBrainなどは料金を公開していません。資料請求や問い合わせで、自社の人数・使い方に対する見積りを取り、公開料金のWistant・Geppoと並べて比較するのがおすすめです。導入前には必ず公式サイトで最新の条件を確認してください。
